同じ図面にもとづいて加工したものは、どこで、誰が作業したものでも同じように仕上がるとお考えでしょうか。いいえ決してそうではありません。
加工の手順や方法や速度などによって、仕上がりは微妙に異なり、切粉の形状や色にも差異が出ます。微細で精密な部品ほど作り手によって大きな差が現れるものです。
もし、FKSの高精度に仕上がった小物部品を拡大投影機または顕微鏡でご覧くだされば、そこには、FKS独特の加工技術によるきわだった個性が見つかるでしょう。
一品一品に心をこめて正確に精巧に仕上た部品は、たとえそれが大量生産品であったとしても、個性をもった美しいアートと呼びうるものになります。
FKSは、部品加工のなかでも、とくに小径複合施盤による小型部品加工に重点的に取り組んでいます。そのため、最新鋭のNC複合施盤を数多く導入しています。
NC複合施盤による部品加工は、与えられたNCプログラムの指令どおりに、自動的に連続加工を行います。そのため、NCプログラムの良否が、部品の精度や仕上程度、さらには作業時間に大きく影響します。
高性能のNC施盤に最大の能力を発揮させるためには、的確な指令を与えなければなりません。それがNCプログラミングです。
作業担当者は、与えられた受注図面を検討し、材賃・形状・寸法・加工の難易度等に応じて、最適工作機械を選定し、精度や仕上程度、納期、数量を考慮して、NCプログラムの設計に取りかかります。
加工順序、加工方向、工具・刃物、刃物取付位置、加工速度、送り量等々、NCプログラムを構成するファクタは数多く、これらの組合せは幾通りも可能になります。さらに、部品の形状が複雑になればなるほど、難易度が高くなればなるほど、ファクタは増え、組合せの数は一気に増えていきます。
これらの無数の組合せの中から、ただひとつの最適のプログラムを見つけ出すこと、それが、NCプログラミングの唯一の、そして最大の課題です。
要求される精度と仕上程度を維持しつつ、いかに最短の時間で加工するか、いかに工具・刃物の命数を高めるかが、加工費の低減と納期の短縮に直接つながっていきます。
FKSは、数多くの加工実績を通して、プログラムのノウハウを着々と集積してきました。それはさらに次の仕事に生かされ、ひとりの作業者の経験とノウハウはすべての作業者で共有し、そのようにして、部品加工の最高の技術と自信を獲得しています。
プログラムの行間にかくされた、
FKS独自の見えないノウハウ
それが、FKSの誇りです。
いま仮に、FKSが図のような部品加工を受注したとしましょう。
この部品を加工するNCプログラムの1サイクルをパノラマ風に展開しました。
では、一緒に加工の模様をプログラムに沿ってたどってみましょう。